ジャム作りに役立つかもしれないペクチンの話

ペクチンについて

ジャムといえば、あのトロミを思い浮かべるのではないでしょうか。ヨーグルトなどにかけるならサラサラタイプでもよいのですが、ジャムを作るならやっぱりあのトロミが欲しい!と思った時ペクチンのことを知っていると役立ちます。

ペクチンって何?

植物に含まれる多糖類で食物繊維のひとつです。多くはかんきつ類やりんごの果皮など、植物の中に含まれる天然の『凝固剤』で、細胞壁に存在し細胞同士をくっつけている、いわば接着剤のようなものとも言えます。

ペクチンの含有量は何で決まる?

ペクチン

ペクチンは植物の種類・熟成度合いによって違ってきます。たとえば下の図にあるよう、ペクチンの少ないいちごなどは、砂糖だけで煮てもジャムというよりシロップ煮のようなものができてしまいます。

果物のペクチン

反対に、かんきつ類を使うマーマレードなどは、ゆるめで火を止めなければ固くなりすぎます。しかし、もともとペクチンが多い果実だからといって、食べごろでないもので作ってもトロミがつかないことがあります。

まだ早いな…という「未熟な果物」にはプロトペクチンが、食べごろをのがした「過熟な果物」にはペクチン酸が含まれています。しかし、これら二つは水にも溶けなければ、ゲル化もしないのです。

 

いちごジャム

一方、食べごろの果実「成熟果」にはペクチンが多く含まれ、適度な糖と酸と合わさるとゲル化(凝固)します。結局おいしいジャムを作るには、食べごろの果物でつくるのが一番ということに。ペクチンがもともと少ない果実には、市販のペクチンを添加すればよいのです。

市販のペクチンはHMとLMの2種類ある

結論から言って、甘さがほどほどのジャムを作りたい方は「LMペクチン」を購入してください。

LMペクチン

どうやらジャム作りではLMペクチンがモテモテのようです

HMペクチン

HMペクチンだって、ちゃんと必要とされていますね!

HMペクチンとLMペクチンの違い


ペクチンの使い方

 

◆LMペクチンを使った身近な加工品としては、牛乳を混ぜるだけの「フ〇ーチェ」などがある

◆粉末のペクチンをグラニュー糖に混ぜてから使うのは、グラニュー糖がペクチンの間に入り込み、水分を吸着してくっつきにくくしてくれる作用を利用するため

まとめ

ペクチンが少ない果物、タイミングを逃してしまった果物でジャムを作ると、とろみが出にくいので市販のペクチンをつかうのも手です。

そんな時、以下のペクチンのおおまかな特徴を頭の片隅に入れておくとジャム作りもスムーズです。

  • 甘さ控えめジャムを作りたいならLMペクチンを使う
  • 食べごろ以外の果物はペクチンが少ない
  • ペクチンの少ない果物=イチゴ・ブルーベリー・ナシ・サクランボ・ブドウ・モモ・ブドウ・バナナetc…
  • ペクチンは少量のグラニュー糖をあらかじめ混ぜておき、煮あがり直前に加える

おまけの豆知識

1825年に、フランス人科学者のブラコノー(Braccont)がペクチン(Pectin)と名づけました。『固い・濃厚な』を意味するギリシャ語『Pectos』が語源です。そもそも、ペクチンという存在を最初に発見したのは1790年。フランス人科学者のヴォークラン(Vauquelin)が、タマリンドというマメ科の果実から見つけたゼリー状物質なのです。