『マーマレードをはりきって作ってみたけど、あまりの工程の多さにぐったり…。もう作る気がしない』と思った方はいませんか?
ジャムは一度にたくさん作ったほうが効率もいいし、おいしくできるのは確かです。
でも慣れていなかったり、時間がない時、手間のかかるマーマレードを大量につくるのはおっくう…と思うかたは多いはず!
そこで、負わないけどヒソカに製菓理論に基づいた作り方はないかなとあれこれ探って早10年…。ようやく必要な工程・しなくても大丈夫な工程があることに気がつきました。
「茹でこぼし回数を減らしたい」「ワタをとるのが面倒」と思っている方がいれば、こんなやり方もありますので、よろしければ参考に!
このレシピの特徴
・最低限の材料で
・皮内側のワタはそのまま
・茹でこぼしは1回
・工程を、2日に分ける
特にこの工程を分けることで、スキマ時間でもできます。砂糖を2回に分けて加えることで、浸透圧をうまく利用できるのです。

この分量で170㏄ビン4つ分ほどできます
材料
- 甘夏……2個
- グラニュー糖……「ゆでた皮+むいた実」の※計55%~
作り方(1日目)
※もしノーワックスしか手に入らなかったら、さっと湯通ししてからよく洗います。
1-3 皮をさらに3等分にして切ります。この長さだと、ビン詰めが楽なのです。
☆なるべく薄くが理想ですが、多少厚くても大丈夫!?(厚くなった場合、下茹でに時間がかかる場合も…)
1-4 たっぶりの水にさらし、ざるにあけ
この作業をもう一度くりかえします。つまり、水さらし2回。
1-5 下煮をしていきます。鍋にたっぷりの水と一緒にさきほどの皮を入れ火にかけます。たっぷりの水とはどれぐらいかというと、写真では水1600㏄入っています。ちなみに直径20㎝・高さ10cmほどのホウロウ鍋です。
1-6 皮を柔らかくなるまで煮ていきます。最初強火にかけます。沸いてきたら弱火に。
1-7 その間に実をむいておきましょう。背中に切り目を入れてパカッと開いて種を捨て、実をとりだします。中袋はぎゅっと絞ってから捨てます。
1-8 15分経ったので、皮が柔らかくなってるか食べてみてチェック。(この段階ではぜんぜんおいしくはありませんが…)まだ固いようならもう少し煮ます。ここで柔らかくなるまで煮ておくのがポイントです。
軽く水けをきります。ここで水けをきりすぎないのがポイント!少量煮る場合は水分が蒸発しやすいので、煮詰まりすぎるのを防ぎます。
1-10 茹でた皮とむいた実を軽量します。(この分量をメモしとくのをお忘れなく!)その分量の30%のグラニュー糖をよく混ぜたら中火にかけます。
アクが出てきたら、すくいます。この時だけ火を弱めると取りやすいですよ。
11 冷めたら表面にラップをはりつけ涼しいところ※に置いておきます。ただ、鍋がホウロウかステンレスの場合です。銅鍋ならタッパーなどに移し替えてください。
これで1日目の作業はおわりました。ただ、もしその日のうちに一気に仕上げたいなら、火を止めて1時間はおいてください。
※もし気温が高いようなら、タッパーに移し替え冷蔵庫へ。冷蔵庫なら4日は大丈夫です。
*ちなみに私は翌日仕上げをしようとしたら、急きょ泊りがけの葬儀に行くことになり、ジップ付き保存袋に入れ冷凍していったことがあります。後日解凍して本煮しましたが、まったく問題ありませんでした!
作り方(2日目)
2日目-1 本煮
前日下煮したマーマレードに2回目のグラニュー糖(皮+実の25~30%)を入れ、中弱火~中火でゆるくとろみがでるまで時々かき混ぜながら煮る。
- 少量つくるなら中弱火~中火で←今回はコチラ
- 大きな鍋でたくさん作るなら中火~強火で
☆短時間で煮ると風味や色が失われにくいです。ただ、今回のように少量煮る時は、どうしても水分が蒸発しやすく焦げやすいので、火を弱めました。基本は風味が逃げないよう『強火短時間』でいつも私は煮ています。
追記*実験として弱火でコトコト時間をかけて煮たところ、香りは多少失われましたが色はきれいなままだったので、好きなように煮てかまわないのかもしれません。
アクが出たらとります。量が少ないと焦げやすいので時々混ぜながら。
☆並行してビンとフタも煮て消毒します。フタをして弱火で煮ると、湯が少なくてもしっかり煮沸できます。
☆途中味見もして、甘さが足りないならグラニュー糖を足します。
☆トロミがついてきたら火を止める。冷えると固まるので、ちょっと緩いぐらいが理想です。
2-4 火を止め、煮沸消毒したビンを取り出します。熱いビンに熱いジャムをいれれば、水滴がついていても大丈夫です。
2-5 口いっぱいまでビンに詰めます。熱いので、清潔なゴム手袋などすると作業が楽です。
2-6 ふたをして逆さに。自然に冷ませばできあがり。
たっぷりのせて、めしあがれ!
慣れてきたら、甘夏3こでも4こでも…甘さや皮の量など自由にアレンジして、自分の味を探すのも楽しいですよ。ただ、保存をしたいなら、最低でも皮と実の重さの50%の砂糖は使用してください。